2018/10/25

座り方の大切さ

昔、ギターのある先生に、楽器の上手い下手というのは、実際に弾くまでもなく、座り方を見ただけでわかると言われました。その頃の私は、まさか!と思いましたが、今ではその意味を痛感しています。本当にわかってしまうのです。

ギターの生徒でもピアノの生徒でも、最初に必ず座り方や構え方について話すようにしています。楽器を弾いていると、どうしても音を出すことにに夢中になるので、指などの先端、楽器との接触部分にのみ意識が集中しがちです。しかし、まずは身体の他の部分、特に身体の中央に近い部分が十分リラックスし、指の自由な動きをサポートし、それを妨げることのないようにしておかなければならないのです。中央に比べれば、末端としての指のしごとは実はごく限られたものです。十分にリラックスしていなければ、知らず知らずに負担が身体の何処かに集中し、緊張し、指が動きにくくなるだけでなく、痛みを誘発し、少なくとも長時間の演奏や練習には耐えられなくなります。

身体になにか問題が起こっている時にがむしゃらに練習すれば効果がないどころか、逆効果です。楽器を問わず名演奏家と呼ばれる人々の演奏をみれば、身体の動きに共通性を見つけることができます。彼らの無駄がなく流れるような様子を自然な動きと形容できますが、まさに”自然体”でいること、無駄な動作をやめていくことが大切です。

もし上達に悩む人がいるとしたら、まず鏡を置いて自分の演奏姿勢について見直してみることをおすすめ致します。