11 Jul 2018

Music Picnic 2018 Summer (ピアノ・ギター・ウクレレ発表会)

ロンドンには珍しく、毎日快晴続きで暑い日が続いていますね。周りにはもうすでにバテているという方も多いですが、暑さはまだまだ続きそうです。熱中症等に気をつけておすごしくださいませ。

さて、今年も毎年夏の恒例となっている発表会が終わりました。今回はピアノ、ギター&ウクレレの36人の生徒が出演しました。教室を始めた頃にくらべると、弾ける生徒が増えたためか、特に後半のプログラムには、以前にましてマチュアな演目が増えてきた感じがします。例えばピアノではベートーヴェンやショパンのよりピアニスティックな、ギターではタレガやソル等のギタリスティックな作品が聴けるようになりました。


今回の発表会でも記憶に残る名演奏が色々でましたが、ハイライトの一つはウクレレソロでのバッハ「BWV147・主よ、人の望みの喜びよ」だったと思います。オリジナルの編曲という事もありますが、この様なウクレレの音楽を生で聴ける機会は他ではおそらく無いと思います。その生徒は、実は人前でソロの曲を弾くのははじめてだったのですが、素晴らしい演奏を聞かせてくれました。(写真は別のウクレレの生徒です)

どなたかわからないのですが、Otonoki教室の名前が入った素敵なクッキーを焼いて持ってきてくださった方がいらっしゃいました。別の方に後になって教えて頂いたため、私達は最後の一枚しか見ることができませんでしたが、とてもうれしいです。どうもありがとうございました。

追記:クッキーは料理の先生でいらっしゃる、Rちゃんのお母様が焼いてくださったのだそうです。ありがとうございました!


27 Jun 2018

ピアノ調律師

ギターやバイオリンと違って、ピアノの場合、演奏家とは別に調律を専門にする調律師と呼ばれる人たちがいます。ピアノの調律自体は、他の楽器に比べると大変ではありますが、調律器具さえあれば、自分で行うことも可能です。音の木教室でも器具をいくつか揃えております。しかし、良い調律師の仕事というのは、本当に職人芸=アートです。楽器の持っているほんとうの力を引き出してくれる、そういう仕事だと思います。

しかし最近、他のピアノの先生方ともお話していたのですが、この界隈でなかなか良い調律師にめぐりあうことは難しいようです。この間は某有名楽器メーカーで仕事をされている調律師に頼んでみました。スマートフォンに入れたチューナーアプリを見ながら30分とかからずに終えられていました。私達が出会った調律師の中では最短時間だと思います。実際、そういうアプリを利用すること、短時間で終えることそれ自体には問題はないでしょう。しかし、2週間ほど経って、以前にもましてひどく調律が狂っている所をみると、それがどういう仕事であったかを物語っています。その方は、調律は生活のためにやっていて、あまり好きじゃない、早くリタイヤしたいと言っていました。調律師だったお父さんのコネもあって、ロンドンの様々な、有名な会場等でも忙しくされているようですが、残念ながらうちの教室のピアノをまかせることはできないでしょう。

以前、私(遠山)が子供の頃習っていた先生とお話していた時に、先生がいつもお願いしている調律師の話題が出た事があります。先生はある時に、特に理由はなかったようなのですが、いつもとは違う調律師に調律を頼んだそうです。その調律師の方は、調律をはじめる前に、まず「どんな音をお望みですか」と先生に尋ねらたそうですが、今までそのような事を聞かれたことが無いのでとても困ってしまったと仰っていました。それから調律をはじめたものの、調律師の方はピアノの部屋に籠もったきり一時間、二時間…何時になっても終わらない。あまりに終わらないので先生は不安になりましたが、結局夜になって、始めてから終わるまでに10時間くらいいらっしゃったそうです。先生は実は、それまでずっと自分のピアノの響きが好きではなかったそうなのですが、その調律の後には、同じピアノとは思えないくらい響きが変わったとおっしゃっていました。それをきっかけに先生の調律の、そして楽器への意識も変わったそうです。それ以来、調律はその調律師の方にお願いしているそうですが、それだけでなく、尊敬できる音楽家として、自分の演奏も聞いてもらっていると仰っていました。ピアニストと調律師は一緒に音楽を作るパートナーというわけです。ピアノを弾くものとして、そのような調律をされる方にいつかお会いできるのが夢ですね。

6 Jun 2018

練習しても完璧にはならない

しばらく前に話題になっていた、Eddie Wooさんというオーストラリアの数学の先生が、面白い動画を投稿されていましたのでご紹介させていただきます。

"Practice makes perfect", and other lies we believe about learning


Practice makes perfectとは英語のことわざで、日本語には「習うより慣れよ」「継続は力なり」などと意訳されることもありますが、要は練習を積み重ねていけば完璧になるということです。ところがWooさんはビデオの中で、それは嘘だと言っています。練習がつくるのは完璧さ(perfect)ではなく、単なる癖、あるいは習慣(Habit)だと言うのです。Wooさんは実に上手く説明しておられるので一度ビデオを見てみてください。

ある行動を何度も反復するうちに、思考無しに自動的にその行動ができるようになります。これが反復練習の正体であり目的です。訓練された音楽家が新しい楽譜を素早く読み、たった一度見ただけでもある程度弾けてしまうのは、それら行動のプロセスが過去にやった反復練習によって、自動化されているからです。

問題なのは、反復練習によって身につけられる癖が、音楽や身体にとって果たして本当に良いものなのか、悪いものなのかということは、脳自体は判断していないということです。悪い癖も良い癖も反復動作によって同じように身についていきます。反復を積み重ねれば積み重ねるほど癖は強固なものになりますから、修正するのはより困難になっていくのです。

色々な生徒を見ていると、多くの人にとっては練習が、単なるがむしゃらな反復作業になっているようです。勿論、反復練習は、何かを身につけるための大切なプロセスであるのは間違いありません。しかし、行っている内容をよく吟味せずに、ただ繰り返すというのは取返しのつかない結果をもたらすことがあります。よく独学で、Youtubeで、あるいは専門ではない友達に教えてもらっていたというような方が習いに来られることがありますが、悪い癖は一度身についてしまうと、修正するのはなかなか大変です。



3 May 2018

動画「エリック・サティ — シネマ」(鍵盤ハーモニカ合奏)

先日行った10周年記念コンサートからの動画、エリック・サティの「シネマ」をYoutubeにアップロードしました。元はオーケストラ曲で、作曲者によるピアノ版、ダリウス・ミヨーによる四手連弾版等もあります。今回は鍵盤ハーモニカ4パートに編曲しました。曲についての説明は前記事に少し書きましたので御覧ください。



— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室

25 Apr 2018

10周年記念コンサートを終えて

先日、教室の10周年記念コンサートを無事に終える事ができました。お忙しい中、来ていただいた皆様ありがとうございました。ケントの方から遠路はるばるお越し下さった方もいらっしゃったようです。そして出演者の皆様お疲れ様でした。

今回のコンサートでは生徒・関係者と演奏致しましたが、いつもの発表会とはちがった位置づけでした。したがって、プログラムも私たちの演奏したいもののなかでも、発表会などでは中々出来ないようなものを選びました。

プログラム:
第一部
  • (イントロダクション)ウェストミンスターチャイム (ピアノ四手連弾)
  • W. A. モーツァルト:魔笛 (ピアノ四手連弾、ナレーション付)
第二部
  • I. ストラヴィンスキー: Eight Instrumental Miniatures (鍵盤ハーモニカ合奏 4パート)
  • E. サティ:Nine Children’s Pieces — Childish Small Talk, A Child’s Quaint Ways, Tiresome Pranks (ウクレレ・ギター&ナレーション)
  • E. サティ:Cinema (鍵盤ハーモニカ合奏 4パート)

魔笛は、言わずと知れた、モーツァルトの生涯最後のオペラ作品です。今回は英語でのナレーションを挟みながら、全13曲で構成された4手連弾の編曲で演奏しました。各曲共に個性豊かなキャラクターに結びついているので、出演者はそれぞれ関連するキャラクターのコスチュームを着て演奏しました。

魔笛は、遠山にとって特に思い入れのある作品です。子供の頃、モーツァルトの楽曲が大好きでよく弾いていたのですが、ある時母に「アマデウス」というモーツァルトの伝記的映画を見に連れて行ってもらいました。その映画の中で魔笛の夜の女王が歌うシーンがあるのですが、それに衝撃を受けて以来、いつか弾いてみたいと思っていましたが、ついに今回プログラムに含めることができました。尚、後から聞いた話では、コンサートにいらしていたある一人の生徒が、例の夜の女王の曲をとても気に入ったらしくずっと歌っていたそうです。

ストラヴィンスキーのEight Instrumental Miniatureは、Les cinq doigtsというピアノ曲からのオーケストラ編曲(または再作曲)です。ストラヴィンスキーはLes Cinq Doigtsを作曲してから約四十年後、Eight Instrumental Miniaturesに編曲し直した際に、音をかなり追加し複雑化していますが、原曲では左右の手の各指をピアノの5つの鍵盤の上に置き、そこから動かさずに弾くという、大変シンプルなアイデアからつくられています。Les Cinq Doigtsとはフランス語で5本の指という意味です。

次くサティのNine Children’s Piecesも実は、Les cinq doigtsと同じアイデアに依っています。つまり、左右手各指をそれぞれピアノの定められた5つの鍵盤にあてがうということです。このような限定した書き方は他にもバルトークの作品等に見られます。右手左手の指5本づつ、つまり合わせてたったの10のピッチだけで作られているにもかかわらず、多彩な組み合わせや非凡な反復によって、決して飽きさせない構造になっているのはさすがです。Nine Children’s Piecesでは変化記号が一度も使われず、ピアノの白鍵のみ=C Major Scaleのセットで作られていますが、C Majorの調的な語法(終止法等)はほとんど避けられているために、古典的な音楽とはずいぶん違って聞こえます。Nine Children’s Piecesにはサティのその他の多くのピアノ曲と同様に、”風変わりな”テクストが添えられていますが、これを今回音楽とともに朗読(英語:原文はフランス語)しました。

終曲の Cinema は、モーツァルトにおける「魔笛」と同じように、サティの生涯最後の作品です。ダダの詩人、フランシス・ピカビアのRelâche というバレエの幕間に演奏される映画(シネマ)の伴奏音楽として作曲されました。ピカビアによるバレエと映画の台本には、プロットらしきものはまるでなく、ひたすらナンセンスなカットの連続になっています。この曲を聞くとまず、反復の異様な多さが耳につくかもしれません。魅力的なパターンが次々に登場しますが、各々は調的・動機的に、あまり前後の関連性は感じられません。そうしてバラバラの寄せ集めの音楽はドラマ性を、または内的表現性を剥ぎ取られて、音の色彩の庭に開放されます。サティは反ロマン主義の人でした。この曲はずいぶん昔、鍵盤ハーモニカとギターの二重奏をはじめたころに弾いていましたが、今回の鍵盤ハーモニカ合奏のために編曲しなおしました。

これらのプログラムは、今回の演奏者があってこそのものでした。二度と同じ音はつくれないだけでなく、おそらく同じプログラムを組むことも、この先もうできないと思います。

音楽は考えても、とにかく音を出してみないとわからない事だらけです。今回もまた、あたらしい発見がたくさんありました。皆さまのおかげで、良いコンサートができたと思います。本当にありがとうございました。今後とも音の木音楽教室をよろしくお願い致します。

モーツァルト&夜の女王と

ウクレレ、ギター&朗読

すてきな手作りカップケーキをいただきました!

魔笛より


19 Apr 2018

10周年記念コンサート

以前の記事にも書きましたが、2008年よりロンドンにて指導を始めて、今年で10周年をむかえました。これを記念して、私たち講師と生徒の一部、関係者といっしょに、コンサートを開催致します。

プログラムは、朗読とピアノ4手連弾によるモーツアルトの魔笛、子供達の語りとギター&ウクレレアンサンブルによるサティー、その他、鍵盤ハーモニカによるアンサンブルなど、普段の発表会とは違ったものをお届けします。

是非、ご家族やお友達を誘ってお越し下さいませ。

日程:4月21日(土)
時間:16時スタート
場所: St Mary at Finchley Church, 26 Hendon Lane, London N3 1TR
尚、駐車場は教会を通り過ぎてすぐの所にあるSt MaryのChurch Hall(St Mary at Finchley Parish Hall)にスペースがございます。


31 Mar 2018

Happy Easter!

ハッピー・イースター!近頃日が長くなり、だんだん春が近づいているのを感じます。イースター前に、ピアノの生徒の女の子が、とてもかわいい帽子をレッスンにかぶって来てくれました。お母様と一緒に作られたのだそうです。イギリスの学校ではハロウィン、クリスマスWorld Book Dayなどなど、オフィシャルに「コスプレ」をする機会が多いような気がします。準備される方は大変…かもしれませんが、見る方としてはいつも楽しいです。