2015/10/30

ピアノ椅子

ピアノ購入の相談などを受けることは多い一方で、椅子について相談を受けることは稀です。ピアノ椅子自体が音を発するわけではないので、たかが椅子と大変軽視されがちなのですが、ピアノ演奏上、大変重要です。いくら手の形や動かし方が大事だと言っても、そもそもうまく座ることができていなければ、あらゆる練習が全く無意味になるか、悪いクセを付ける原因になるだけです。ちなみに、私(遠山)が習っていた師には、とにかく自分で椅子の高さをきちんと調整できるまで何度もやりなおしをさせられたり、椅子と鍵盤の距離、それから姿勢など、ピアノを弾く以前の状態についてとても細かく指導されました。多くのピアニストが椅子についてとてもこだわっていますし、コンクールやコンサートホールでも様々な種類の椅子を用意して選べるようになっています。それほど椅子が演奏に影響を与えるという事です。

まずは身長にあった椅子を選ぶ必要があります。電子ピアノ等に付属している椅子は、適切な高さではない場合があるので注意してください。また、たまにピアノ椅子ではなく、ダイニングチェアー等を使っている方もいらっしゃいますが、これはピアノ演奏には全く向かないと考えてください。体の大きさは人それぞれであり、各自の条件にぴったり合う椅子などと言うのはまず無いので、高さを微調節できるタイプの椅子が良いでしょう。それから頑丈であり、ある程度重量がある安定した椅子を選んでください。演奏時、椅子には通常浅く座りますが、重心が前部分にかかってもびくともしない椅子である必要があります。

ちなみに日本には、ワンタッチで高さを変えることができる、背もたれ付きのピアノ椅子があります。年齢や身長差のある兄弟姉妹などで一台のピアノをシェアされる場合、これは大変便利なのですが、残念ながらイギリス(ヨーロッパ)にはありません。OTONOKIでは、低学年用、高学年用など、何脚かの椅子を置いて、レッスンの際に微調節しています。

上達に悩む方、フォームを改善したい方、是非一度ご自分が使われている椅子をチェックしてみてください。



— Otonoki Music School 音の木ピアノ&ギター・ウクレレ教室 (ロンドン)

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